THE CELLを読む⑧
ツボ押しのやわこを紛失したのでかたおに浮気しようか検討中です。体凝って辛い。
真核生物のゲノムには非翻訳DNAが多く含まれるが、この役割については研究途上である。少なくとも遺伝子発現を制御する調節DNAが多く含まれる。
我々多細胞生物を構成する細胞は多様である(脂肪細胞、皮膚細胞、骨細胞、etc...)。しかしどの細胞も全く同じゲノムコピーをもっている。
細胞の違いは胚発生の過程で細胞が周囲からの合図(環境シグナルなど)に応じて遺伝情報を選択的に利用する結果生じる。(シグナル→センサー→遺伝子発現)
発現したタンパク質の大半は他の遺伝子発現を調節するための遺伝子調節タンパク質(gene regulatory protein)である。
細胞は環境シグナルを受け取るだけでなく、近くの細胞と活発にシグナルを交換しており、これによっても遺伝子発現を調節している。
真核生物の多くは単細胞の原生生物(protist)であり(動物や植物は実は数が少ない)、狩猟型原生生物(protozoan)、光合成生物(alga)、単細胞菌類(fungus)が主である。
原生生物は(ミジンコやミカヅキモのように)様々な形態を示し、感覚毛、光受容器、繊毛、口器など...精巧な構造を持つ。
系統樹を見ると真核生物の枝のほとんどは原生生物であり、動物・植物などは枝一本分に足るか足らないか程である。
原核生物のモデル生物は大腸菌であり、真核生物のモデル生物は出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)である。
出芽酵母は単細胞菌類であるが、系統的には植物-動物と同じ程度の近さである。(丈夫、生育簡便、細胞壁をもち、ミトコンドリアをもつが、葉緑体はもたない、分裂スピードが速く、栄養生殖(細胞分裂)も有性生殖も可能)
酵母は真核生物としてはゲノムが小さく、非翻訳DNAが少ないことから遺伝子の機能を知るには最適なモデル生物である。
ヒトも酵母も大腸菌も全ゲノム解析が完了しており、塩基配列は明らかになっている。
ゲノム塩基配列が分かるとマイクロアレイなどの遺伝子発現計測技術を用いて、メッセンジャーRNAの量を同時に計測でき、条件ごとの遺伝子発現パターンが分かる。
遺伝子発現の情報は解析によって膨大なデータとして得られる。このデータから細胞の意味を知るためには数学、計算機、定量的情報が必要である。
しかし実際の遺伝子発現は定性的であり、必ずしも計算の通りとはならないため、理論と実験の融合が必須である。
今日はこの辺で。お疲れさまでした。