こむずかしいせいぶつ!

専門分野とそれ以外と。

THE CELLを読む⑬

ワニに食われる夢を見ましたが、大きすぎてゴジラという感じでした。

 

極性共有結合を持つ分子が水(細胞)に溶けると、化学反応が起こる。

Hは電子を引き付けにくいので分子内でプロトン(proton)(H+)に近い状態になっている。細胞内では何十億ものプロトンが分子間を移動し続ける平衡状態となっている(例えば、水分子はプロトンを受け取りヒドロニウムイオン(H3O+)を形成したり、水酸化物イオン(OH-)となったりしている)。

水に溶けた際、自身はプロトンを放出して水分子をヒドロニウムイオンに変える物質を酸(acid)という。水の平衡定数1.0×10^14=[H3O+][OH-]なので、酸のためにヒドロニウムイオンの割合が高くなると水酸化物イオンの割合は下がってくる。ヒドロニウムイオンの濃度をH+濃度と呼ぶが、この対数がpHである(純粋のpHは7.0で中性である)。

自身はプロトンを受け取って水酸化物イオン濃度を高める物質を塩基(base)という。(-OH基を持たずとも、NH2基を持っていれば-NH2+H2O→-NH3++OH-となり水分子から水酸化物イオンを作れるので塩基性である。)

酸性、塩基性の物質が緩衝しあって(厳密にいうと酸性に傾きやすいのを塩基性物質が緩衝することで)細胞内はほぼ中性に保たれている。

 

共有結合は非常に強い結合だが生命活動の多くは異なる分子間の特異的結合により生じるので、細胞内では共有結合に勝る非共有引力共有結合(noncovalent bond)による)が働ていることになる。細胞内で働く非共有引力は4種類あり(以下に示す)、これらの力が合わさることによって固い共有結合に勝る力を発揮している。

 ・静電引力(electrostatic attraction)…反対の電荷をもつ原子間に働く引力。2つの原子が完全に帯電している場合はイオン結合である。水溶液外では強く、水溶液中では弱い。したがって細胞内では弱い。

 ・水素結合(hydrogen bond)…片方の分子のOともう片方の分子のHによる電気的引力。水溶液中では無数の水素結合が形成され競合するので一つ当たりは弱い。

 ・ファンデルワールス力(van der waals attraction)…非極性分子でもゆらぎにより双極子(極性磁石)を引き起こすので、異なる2分子間では必ず弱い引力が生じる。これは水の影響を受けない。

 ・疎水力(hydrophobic force)…水素結合を妨げる非極性表面が押しのけられる結果生じる力で蛋白質分子の折りたたみに関与する。

 

 

今日は忙しそうなので気合い入れて頑張ります。朝の分はこれにて。