THE CELLを読む28
動物は食後、必要なエネルギーを糖から取り出す。過剰な糖はグリコゲンの補充と脂肪の合成に使用される。
夜間は脂肪酸の酸化で必要なATPの大半を生み出す。
血中のグルコース濃度が低いと脂肪の分解でエネルギーが作られる。
脂肪細胞に蓄えられているトリアシルグリセロールの加水分解で脂肪酸とグリセロールができる。
動物は糖を脂肪に変えることは容易にできるが、脂肪を糖に変えることはできない。その代わり、脂肪酸を直接酸化できる。
お分かりだろうか。
糖を摂りすぎて蓄えられた脂肪は、血中のグルコース濃度が低くないと分解されない。エネルギー貯蔵効率は糖2g=脂肪1gのため、思っている2倍糖質を控えないと痩せないのではなかろうか。
THE CELLを読む27
細胞内の秩序を保つために、常にATP/ADPを高く保つ必要がある。つまりエネルギーを作り出すための物質(糖や脂肪)を貯蔵する必要がある。
短期の貯蔵にはグルコースが連結している大型多糖のグリコゲン(glycogen)を、肝臓や筋肉などの多くの細胞に蓄える。
長期の貯蔵には脂肪酸を活用する。脂肪細胞の細胞質に、トリアシルグリセロールからなる脂肪滴を蓄える。
脂肪(fat)は貯蔵効率が高いため、グリコゲンよりも量的に重要である。グリコゲン1gを酸化してえられるエネルギーは1/2量の脂肪を酸化して得られるエネルギーであり、グリコゲンは多量の水が結合しているため、実質量としてはグリコゲン複合体=1/6量の脂肪である。
またグリコゲンの貯蔵期間は1日だが、脂肪酸の貯蔵期間は1ヶ月である。
植物の場合は、光合成で生成した過剰な糖の一部を脂肪やデンプンとして蓄える。特に種子には長い休眠期間を乗り越えて発芽するための脂肪とデンプンが多量に備わっている。
最近、糖質制限をしていますが、続ければ痩せると確信しました。
THE CELLを読む26
解糖系における後半の反応では、2分子のグリセルアルデヒド3-リン酸がNAD+により酸化されて2分子のピルビン酸になる。この反応には二種類の酵素が関与する。
1. まずはグリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素がグリセルアルデヒド3-リン酸の水素を取り去り、酵素側の-SH基を介して共有結合する。
※グリセルアルデヒド3-リン酸-S-酵素の状態
2. 次に同酵素により、奪われたH+(と電子)がNAD+へ転移される反応が触媒される。最初の酸化反応で得られたエネルギーの一部はNADHの生成に使用され、残りはスルフィド結合が高エネルギーのチオエステル結合になるのに使用される。
※グリセルアルデヒド3-リン酸=S-酵素の状態
※=はチオエステル結合
3. さらに、酵素が無機リン酸と入れ替わってグリセルアルデヒド3-リン酸と結合することにより、高エネルギーの糖-リン酸結合が生じる。
※グリセルアルデヒド3-リン酸=無機リン酸の状態で、名称が1,3-ビスホスホグリセリン酸となる。
4. 最後に、新たな酵素であるホスホグリセリン酸キナーゼが1,3-ビスホスホグリセリン酸のリン酸基を取り去り、ADPからATPが生成される。
今日の項目は飛ばしてもよかったかも、と終わってから気がつきました。まあいいか。
THE CELLを読む25
解糖により1分子のグルコースが2分子のピルビン酸になる過程で、正味2分子のATPと2分子のNADHが得られた。
この反応はビールでいうところの一番しぼりのようなもので、産物(ピルビン酸)にはまだまだ活用法がある。
ピルビン酸は嫌気的反応の場合、発酵(fermentation)されてエネルギーを産生する。
乳酸発酵ではピルビン酸が、解糖により得られたNADHがNAD+になる際に還元され、乳酸になる。
アルコール発酵ではピルビン酸がH+の付加によりアセトアルデヒドになり、解糖により得られたNADHがNAD+になる際に還元され、エタノールになる。
ピルビン酸は酸化的反応の場合、ミトコンドリアにて酸化されてCO2とアセチルCoAに分解された後、クエン酸回路に入って効率的にエネルギーを産生する。
キリがいいので今日は短いけどここまでにします...
THE CELLを読む24
食物からエネルギーを獲得するためには、まず小さい分子に分解する必要がある。
タンパク質はアミノ酸に、多糖は簡単な糖に、脂肪は脂肪酸とグリセロールに。
それぞれの小有機分子は酸化され、エネルギーが取り出される。中でも主要な経路は糖の酸化である。
糖の酸化の主要過程は解糖(glycolysis)である。解糖はO2の関与なしで進む反応のため、嫌気性微生物から大型動物まで幅広い生物に共通する、恐らく生命の歴史の初期に登場した機構である。
1分子のグルコースが2分子のATPの加水分解によるエネルギーを受けてフルクトース1,6-ビスリン酸になる。
1分子のフルクトース1,6-ビスリン酸がエネルギー的になりやすい2分子のグリセルアルデヒド3-リン酸になる。
2分子のグリセルアルデヒド3-リン酸がNAD+により酸化されて2分子のピルビン酸になる。酸化の際にはエネルギーが得られるので4分子のATPと2分子のNADHがこれを貯蓄する。
まとめると、解糖とは1分子のグルコースが2分子のピルビン酸になる過程で、正味2分子のATPと2分子のNADHが得られる反応系である。
秋と梅雨は気圧変化で体調が悪くなりますが、そんな時はストームグラスを思い出します。悪い意味で。
血管の中の水分の水位が気圧で上がったり下がったりしている様子を思い浮かべては、こんなに体調が悪いのは運動不足で筋肉量が少ないためだ...と反省するのです。
そしてあまりの体調の悪さに筋トレを始めたりするのですが、体調が良くなった頃に大気も安定して喉元を過ぎれば辛さを忘れてリバウンドするのです。。
THE CELLを読む23
続きですが、酵素が基質と反応するための運動とかエネルギーとか、物理分野の話が続くので少し飛ばします。ATPあたりから再スタートです。
生物体内においては有機物(食べ物)の酸化で得られるエネルギーを貯蓄する必要がある。この役割を担うのが活性運搬体(activated carrier)であり、ATP及びNADH, NADPHが該当する。
ATP(アデノシン三リン酸)は最もよく使われる活性運搬体分子である。ATPは加水分解によりリン酸基を一つ失ってADP(アデノシン二リン酸)になる際、エネルギーを放出する。ADPからATPへの反応はエネルギー的に起こりにくいため、有機物の酸化で得られるエネルギーはATP合成の際に使用される。
アミノ酸の合成における縮合反応などはエネルギー的に起こりにくい反応で、ATPの加水分解によるエネルギーを介して行われる。このために活性運搬体は補酵素(coenzyme)と呼ばれた歴史がある。
NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド), NADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)は酸化還元反応に関わり、高エネルギー電子と水素原子を運搬する。
NADHはATPと同じく有機物の酸化に関わり、NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が2つの電子(と一つのH+)を取り去る。細胞内におけるNAD+, NADHの比率はNAD+が多くなっているため、NAD+は主に酸化剤として働いている。
NADPHはATPやNADHにより貯蓄されたエネルギーを使って生き物の体を構成するタンパク質や多糖類を生成する同化(代謝)反応に関わる。NADP+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)は呼吸などの異化反応の際に2つの電子と一つのH+を受け取りNADPHとなる。その後、NADPHはエネルギー放出と共にH+と電子を渡すことで相手を還元する。細胞内におけるNADP+, NADPHの比率はNADPHが多くなっているため、NADPHは主に還元剤として働いている。
この他、代表的な活性運搬体にはFADH2(電子と水素の受け渡し)、アセチルCoA(アセチル基の受け渡し)、カルボキシル化ビオチン(カルボキシ基の受け渡し)、S-アデノシルメチオニン(メチル基の受け渡し)、ウリジン二リン酸グルコース(グルコースの受け渡し)などがある。