こむずかしいせいぶつ!

専門分野とそれ以外と。

THE CELLを読む㉑

Corona has made me fat. It's hard to lose weight...

 

細胞内に蓄えられた有機分子である糖(光合成由来)混合分子(食物由来)からエネルギーを取り出すため、生物は緩やかな酸化(制御された燃焼)を行う。

有機分子=炭化水素はほぼCとHから成る一方、大気中には大量の酸素Oが含まれるため、炭化水素を分解した産物の最も安定な状態はCO2とH2Oである。従って、生物は酸素O2を取り込み二酸化炭素CO2と水H2Oを排出する。これを呼吸(repiration)という。

光合成と呼吸は相補的(真反対)な過程でありどちらも必要であることから、それらを行う動物、植物、微生物=生物圏(biosphere)全体としての巨大な循環ができていることが分かる。C、H、Oだけでなく、N、P、Sも循環している。

 

有機分子の酸化は一段階でなく、複数の段階に分けて行われる。

酸化(oxidation)酸素の付加というよりも電子の除去反応を示す。逆反応である還元(reduction)電子の付加反応である。呼吸においては酸素Oが水素Hや炭素Cが持つ電子を受け取る還元剤として働くので、有機分子側からすると酸化された、ということになる。これは一つの分子内の極性共有結合でもいえることであり、電子をより引き付けている方が還元、電子から遠い方が酸化されていることになる。

細胞内の分子が電子(e-)を取り込む際には合わせてプロトン(H+)を取り込むことが多く、分子をAとすると以下のような反応が進む。

A+(e-)+(H+)→AH

水素の付加によりAは還元されてるので、水素化(hydrogenation)も還元反応である。つまり逆反応である脱水素反応(dehydrogenation)は酸化反応である。

このような酸素の付加、脱水素、電子放出など様々な方法を用いて有機分子の酸化反応は進んでいく。

 

 

I didn't update yesterday, so I'll update again in the evening today.

THE CELLを読む⑳

Let's get used to it a little at a time ;)

 

物理学・熱力学第二法則より、万物は無秩序な状態へ向かう。この動きは自発過程(spontaneous process)であり、逆に秩序立った状態へ移行するには努力(すなはちエネルギー)が必要である。

乱雑さはエントロピー(entropy)という量で測ることができ、秩序(エントロピー小)→無秩序(エントロピー大)へ向かうということである。

細胞内は秩序が保たれており、そのためのエネルギーを種々の化学反応で賄っている。細胞内のエントロピーは小さい代わりに細胞外へ熱などを放出することで細胞外のエントロピーは大きくなり、結果的に熱力学第二法則に従う。

細胞が放出するエネルギーに関しては熱力学第一法則を考慮する。熱力学第一法則より、エネルギーは変換されるもので作り出したり失われたりしない。細胞において、食物などを取り込む→食物を構成する原子間の化学結合が持つエネルギー→細胞構成分子のランダムな熱運動、以上のようなエネルギー変換の流れが成立している。

細胞の代謝では上記の流れによる熱生成が秩序の増加に密接に共役(coupling)している。

 

動物は食物を食べエネルギーを得るが、食物連鎖の最下位は植物であり、元をたどればすべては太陽エネルギーである。

植物や光合成細菌は光合成(photosynthesis)によって太陽の電磁エネルギーを化学結合エネルギーとして取り込む。具体的には、電磁エネルギーを用いて炭素(二酸化炭素)、水素(水)、酸素(水)、窒素(土(アンモニアまたは硝酸塩))、微量元素(土(無機塩))などの原子を糖、アミノ酸ヌクレオチド脂肪酸に変える。これらの小分子は化学反応によってタンパク質、核酸、多糖、脂質になって植物の体を構成する。

光合成には第一段階と第二段階があり、第一段階では太陽エネルギー→化学結合エネルギー(小分子)として貯蔵される。

第二段階ではエネルギー運搬体分子(第一段階の生成物)を用いて二酸化炭素(CO2)と水(H2O)から糖と副産物として酸素(O2)を作る。この過程を炭素固定(carbon fixation)という。

光合成全体としてのエネルギー変換は以下のように表すことができる。

光エネルギー+CO2+H2O→糖+O2+熱エネルギー

 

 

I'm on a diet but I want something sweet to eat, so I'm going to buy it. Thank you for your hard work!

THE CELLを読む⑲

I have May sickness and it's very hard... Is the word '五月病' 'may sickness' in English?!

 

細胞において生きるとはすなはち化学反応する、ということである。生きている細胞は小有機分子を分解または修飾して、他の小分子を取り出したり巨大分子を作り出したりする。

 

細胞では(比較的)低い温度で化学反応が進む。これは酵素(enzyme)触媒(catalyze)作用による。酵素触媒反応は連続することが多く、ある反応の生成物が次の細胞の基質(substrate)となる。数々の反応経路の繋がりが細胞の生活、成長、増殖を可能にする。

細胞内の化学反応は相反する2通りのみ存在し、1つ目は食物を小分子に分解する異化(catabolism)であり、もう1つは異化産物・エネルギーを用いて細胞構築用の分子を合成する同化(anabolism)生合成(biosynthesis)ともいう)である。この2つの反応をまとめて代謝(metabolism)という。

こういった細胞内で生じる化学反応を解明する学問を生化学(biochemistry)という。

 

 

Praise me for updating this at the end of GW. I'm sorry for being so short ;)

THE CELLを読む⑱

Golden Week is coming to an end...

 

細胞の70%は水であり、30%は化学物質である。

化学物質とは具体的に①イオン・小分子、②リン脂質、③DNA、④RNA、⑤タンパク質、⑥多糖のことであり、③~⑥は巨大分子で化学物質のほとんどの割合を占める。巨大分子は単量体(monomer)共有結合により長く重合することにより作られ、多くの特徴ある性質を示す。

タンパク質は巨大分子の中でも豊富かつ多様であり、様々な働きをする。多くは酵素(enzyme)として共有結合の形成・切断反応を触媒する。代謝光合成、細胞構造の形成、分子モーター(筋肉)など。。

重合体の形成はいずれも縮合反応により、水分子が抜けることにより重合していく。ほとんどの巨大分子は互いに少しずつ違う単量体の組み合わせでできており、秩序だった配列(sequence)を持つ。

 

重合体の鎖は変形するが、取りうる立体構造(conformation)共有結合により限られている。細胞内のほとんどのタンパク質と多くの小RNA分子はきちんと折りたたまれている。

折りたたみだけでなく非共有結合によって酵素の結合や超巨大分子(例えばリボソームなど)の構成がされる。

 

 

That's all for today. I don't want to seep tonight (and to go to lab...)...

THE CELLを読む⑰

I took a two-hour nap...

 

話題は糖、脂肪酸からタンパク質へ。。

タンパク質(protein)アミノ酸(amino acid)からなる。アミノ酸の構造は中央にα-炭素があり4本の腕にはカルボキシ基アミノ基水素側鎖がついている。アミノ酸には沢山の種類があるが、これらの性質は側鎖に依存している。隣り合ったアミノ酸同士はカルボキシ基とアミノ基でペプチド結合(peptide bond)しており、アミノ酸による鎖をポリペプチド(poly peptide)と呼ぶ。ポリペプチドには(カルボキシ基(-)とアミノ基(+)による)極性がある。

タンパク質を構成するアミノ酸20種類で全生物共通である。

グリシン以外の19種類のアミノ酸光学異性体が存在しL型とD型があるが、タンパク質を構成するのはL型だけである

20種類のうち5種類は電荷をもちイオン化するが、15種類は電荷をもたず極性を持つ親水性のものと極性を持たない疎水性のものに分かれる。

 

話は最初に戻ってヌクレオチドへ。。

DNA、RNAを構成するヌクレオチド環状化合物(窒素を含む)五炭糖で構成される。

五炭糖はリボースまたはデオキシリボースであり、これらを含むヌクレオチドリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドと呼ぶ。

環状化合物(窒素を含む)を塩基(base)という。六員環化合物であるピリミジン(pylimidine)塩基五員環+六員環の縮合化合物であるプリン(purine)塩基の二種類がある。グアニンアデニンはプリン塩基、シトシンとチミン、ウラシルはピリミジン塩基である。(個人的に「プリンGA(が)ピリっとCT(した)」と覚えています)

ヌクレオチドはエネルギーの運搬体としても働くことができ、代表的なのはATPGTPである。どちらも3つのリン酸をもっており、結合を切ってリン酸を受け渡す際にエネルギーが発生する。

ヌクレオチドの最も重要な機能は何といっても遺伝情報の保存と取り出しである。ヌクレオチドは重合して核酸(nucleic acid)を構成しており、これは糖同士がリン酸とヒドロキシ基でホスホジエステル結合を形成することで重合が生じる。

デオキシリボヌクレオチドからなる核酸デオキシリボ核酸(DNA)といい、リボヌクレオチドからなる核酸リボ核酸RNAという。DNAはATGC塩基からなる二本鎖、RNAはAUGCの塩基からなる一本鎖である。二本鎖の結合は水素結合による。

 

 

That's all for today. I've got an online drinking session later♪ Bye!

THE CELLを読む⑯

I took it easy all day yesterday, so I'm going to start working hard again today.

 

話は糖から離れ、脂肪酸へ。。

脂肪酸は化学的性質の異なる2つの部分、炭化水素カルボキシ基からなる。炭化水素鎖は疎水性で化学反応性に乏しいカルボキシ基は(カルボン)酸としてふるまい、イオン化するので親水性で化学反応性が高い。細胞内では脂肪酸はカルボキシ基を介して共有結合している。

パルミチン酸(palmitic acid)の炭化水素鎖は飽和(saturated)している。このような脂肪酸飽和脂肪酸という。(パルミチン酸、ステアリン酸など動物性のものに多い)

一方オレイン酸などは不飽和(unsaturated)の尾部を持つ不飽和脂肪酸である。不飽和脂肪酸では二重結合による折れ曲がりが原因で固体になりにくい。(植物性油)

細胞における脂肪酸はグリセロールに脂肪酸3つが結合してトリアシルグリセロール(triacylglycerol)分子の状態で備蓄される。エネルギーの必要性が出ると炭素2個の単位に分解され、トリアシルグリセロール一つでグルコースの6倍のエネルギーを発生する。

脂肪酸やトリアシルグリセロールなどの脂肪酸誘導体は脂質(lipid)と呼ばれ、’水に溶けず、有機溶媒に溶ける一群の生体分子’である。脂質は長い炭化水素鎖を持つタイプ(脂肪酸など)と環状のタイプ(ステロイドなど)が存在する。

細胞を(備蓄でなく)構成する脂肪酸として、細胞膜を構成するリン脂質(phospholipid)がある。グリセロール1個と脂肪酸2個、さらにリン酸基からなる小分子である。グリセロール+脂肪酸の尾部は疎水性であり、リン酸基は親水性である。リン脂質は疎水性部分と親水性部分を分子の中に持ち合わせる両親媒性(amphiphilic)物質である。

リン脂質はこの両親媒性により、疎水性部分が内側、親水性部分が外側を向く2重の膜を形成する。これを脂質二重層(lipid bilayer)といい、これが細胞膜構造の基礎となっている。

 

 

That's all for today. Well done!!

THE CELLを読む⑮

Starting today, I will write the opening words in English. Please point out any mistakes.

 

有機分子の一つである糖(sugar)は細胞のエネルギー源である。

最も簡単な糖は単糖(monosaccharide)で、一般式(CH2O)nで表される(n=3-8)。単糖や単糖からできた分子のことを炭水化物(carbohydrate)という。

化学式は同じだが構造が異なる分子を異性体(isomer)と呼び、鏡像関係にある異性体光学異性体(optimal isomer)と呼ぶ。

単糖は環状または鎖状で存在する。

鎖状の場合はヒドロキシ基数個とアルデヒド基1個またはケトン基1個を含むアルデヒド基・ケトン基はヒドロキシ基と反応して鎖を環状にすることができる。分子内で反応して環状になるとアルデヒド基・ケトン基があった場所には酸素原子が2個結合する。

環状の糖は他の環状の糖とヒドロキシ基を介してニ糖(disaccharide)を作ることができる。さらに重合してオリゴ糖(oligosaccharide)や巨大な多糖(polysaccharide)を作ることもできる。

ヒドロキシ基を介した糖同士の反応では-OH+-OH→-O-+H2Oとなり水分子が一つとれる。この反応を縮合(condensation)という。

核酸蛋白質など生体高分子も縮合反応で繋がっており、逆反応である加水分解(hydrolysis)で水分子が加わって切断する。

単糖にはヒドロキシ基が複数あるので、結合する個数が増えるにつれ組み合わせが無限に広がる。多糖を形成する単糖の配列決定が新たに研究対象になっているが、これはヌクレオチドの配列決定よりはるかに難しい。

細胞のエネルギーの主役はグルコース(glucose)である。エネルギーが必要でない時つまり貯蔵時にはグルコースのみからなる多糖を備えている。動物ではグリコゲン(glycogen)、植物ではデンプン(starch)である。

糖はエネルギー源としてだけでなく、生体の構造を支える働きもしている。植物ではセルロース(cellulose)、昆虫・菌類ではキチン(chitin)である。人間では粘液や軟骨の主成分として含まれている。これらは我々には消化できない。

小さいオリゴ糖蛋白質共有結合すると糖タンパク、脂質と共有結合すると糖脂質(glycolipid)となり、細胞膜を構成する。ヒトの血液型は細胞表面の糖鎖の違いである。

 

 

One more blog update and I'm going on vacation!!